INTERVIEW
先輩インタビュー

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【開発本部】岡村 星多郎
開発本部
開発

ごぼうにどっぷりはまることで
気づいた、
開発という仕事の面白さ

開発部/開発一課 課長代理
岡村 星多郎(2014年入社)

Shotaro Okamura

私の仕事

玉子焼を始め各種惣菜、ごぼう茶などの健康関連食品、新規市場・海外市場向け製品など、あじかん製品の開発を行ないます。製品には、特定のお客様向けのプライベートブランド(PB)と、幅広いお客様に対するナショナルブランド(NB)があります。ラボで食材を吟味して…というだけでなく、営業や物流部門と打ち合わせたり、製造現場でライン・設備の調整を行うなど、幅広い人々と協働するのも、あじかんの開発スタッフの特徴です。

おいしいきんぴらごぼうとは何だ?

入社以来、製品開発を担当しています。ちょうどごぼう茶がヒットし始め、「ごぼうをもっと深めよう」とあじかんが研究に力を入れていた時期で、ごぼう関連製品の開発を主に担当することになりました。現在も開発テーマの中心はごぼうです。
特に記憶に残るのが、手作り風きんぴらごぼうの開発です。「おいしいきんぴらを作ろう」という上司の掛け声で、「おいしいきんぴらとは何だ?」と定義することから始めました。食感や味、ごぼうの切り方など試作を繰り返し、試作品を官能評価。「やはり“煮る”だけじゃだめだ。炒める、あぶるといった工程がなければ」と思い至った頃、つくば工場新設の動きがあり、新工場に新たなきんぴらごぼうの製造ラインを設置しようという話が持ち上がりました。ゴールを決めずと取り組んでいたテーマが、「つくば工場完成の2年後までに形にする」という明確なプロジェクトになったんです。

問題多発で、納品が6ヶ月遅れる

「炒める」工程は、これまであじかんで組んだことがありません。本来なら機械メーカーにオーダーし、製造設備をゼロから造ってもらうのですが、それでは新工場稼働に到底間に合いません。現状ある設備の組み合わせで何とかしないといけない、というのが難題でした。機械メーカーの方々や製造ラインのスタッフにも協力してもらい、既存設備の組み合わせを変えたり細かな改造を加え、何とか「炒める(正確には揚げてあぶる)」ラインを構築。つくば工場の稼働に間に合わせました。

ところが、大きな問題が発生します。きんぴらに焦げが発生したんです。最初はいくら検討しても原因がつかめませんでした。メーカーの人々に来てもらい、ようやくわかったのが設備の洗浄です。私たちは玉子焼製造ラインと同じ程度の洗浄を行っていたのですが「揚げてあぶる」ラインの洗浄はそれだけでは足りず、異物が残っていたのです。私たちの知識不足が招いたミスで、結局納品まで、さらに6ヶ月を要してしまいました。

今やつくば工場では、1時間あたり600kgのきんぴらごぼうを生産できます。スーパーのパックが200gくらいなので、1時間で3000パックの製造が可能になったわけです。苦労の日々を思うと、よくここまで持ってこれたと感慨深いものがあります。

きんぴらごぼうはスーパーやコンビニの「主役」ではありません。しかし、いつお店に行っても必ずある、愛され続けている食品です。「このきんぴらごぼうはうまいな」と言ってもらえた時は、嬉しかったですね。開発者として興味が尽きませんよ、ごぼうの世界は。

調味料の配合をいろいろと試しながら、思った味に近づけていく。これまで幾度となく繰り返してきた作業だが、「美味しさ」の探求には限りがない。
事前に設定した条件で、実際の調理機で試作してみてどうか?お客様からのオーダーは「柔らかい触感」。さて、出来は?
釜だしした試作品を試食してみて問題ないか、その場で検討。この日、試した新作きんぴらごぼうは概ね好評。これだったらイケるかな。

私の仕事ツール

糖度計ほか各種計測器+α

糖度は?イオン濃度は?温度は?試作をしては計測をし、その繰り返しの中で試行錯誤。イケるかな?というものは写真に納めて、実際の製造ラインで作ってみる。でも、試作室で作ったものと実際の調理機で作ったものは別物で。そこでもまた試行錯誤。
舌触り、香り、味、そしてもちろん成分も…毎日の食卓に並ぶものですからね。決して妥協できません。

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